読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

寿屋_おおそうじ

ことぶきやが家や会社や掃除中に思ったことを書き留めるところ

X-FACTOR TPB vol.12: Scar Tissue(1)

 

 

X-FACTOR TPB(単行本)12巻はダーウィンの離脱を含む三つの短編と、スパイダーマンとのクロスオーバーを描いた4話構成のアークからなります。TPB6巻で探偵社に途中参加したダーウィンですが、早々にチームから離れて行ってしまいます。しかも以前のレーンの時のように編集の都合でという訳ではありません。それでは今回は短編三篇を紹介していきましょう。

#213 "Keeping Things"

カジノで一人の男とポーカーで勝負するダーウィンダーウィンの命知らずのベットを訝った相手の男はサングラスを取るよう要求してきます。そのサングラスの奥の瞳を見た瞬間、男は酷く狼狽し思わず懐の拳銃をダーウィンに向かって放ちます。瞬間適応進化能力で絶対的な防御力を持つダーウィンに拳銃は効きません。パニックに陥った男はそのままダーウィンに取り押さえられるとその眼に睨みつけられたまま魂を抜かれたように息を引き取ります。

翌日、ダーウィンの身元を引き受けに現れるX-FACTOR探偵社のマドロックス。しかし死の女神ヘラの力に適応した反動でその「死」にとらわれてしまったダーウィンは、魂を渇望する自分は探偵社には居られないとマドロックスの元を去るのであった。

ホテルに帰って仲間にダーウィンの事を報告するマドロックス。消沈する者、激昂するもの、飄々とする者、その中に酒瓶を差し出す小男が。

「今のお前に必要なのは一杯のビールだよ」

前日にヘラの元から救い出したピップ・ザ・トロルでした。彼は恩返しのつもりか探偵社に貢献してやると言って聞きません。「あんたを採用するか話合うから」とピップを隣の部屋に追いやって、とっととNYの事務所に転移するマドロックス達。しかし同じく空間転移能力を持つピップは易々と事務所に先回りするのであった。

一方、病院でお腹の子供が人間ではないと聞いたリクターは一人荒れていた。そこに返ってきたシャッタースターらが本当の父親であるフリムハリ(HrimHari)の事を告げる。目を覚ましたリクターはレーンの元へ行き、お腹の子供のこと、本当の父親が誰かを知った事をレーンに伝えるのであった。それを聞いたレーンの口からは意外な言葉が、

「ごめんなさい、あなたがシャッタースターと二人で裸で居るところを見てつい嘘をついてしまったの。だって、同性愛者は地獄に落ちるって…。あなたを地獄行きにしたくなかったの。」

あまりの言い訳につい笑ってしまうリクター。しかし敬謙なクリスチャンであるレーンは、以前能力を失って自殺まで考えたことのあるリクターを何とか救いたいと真面目に考えた故のことだったと真剣に話す。ふたりは和解し、リクターは彼自身の、レーンはお腹の子供との新たな一歩を踏み出すのであった。

 

#214

砂漠をさまようダーウィンはドラゴンに襲われていた女性を助ける。まるで西部劇のセットのような町に辿り着いた二人は、酒場にいるティアという保安官と対決することになる。黙示録の予言を語り、6-6-6の3つの銃を差し出す謎の保安官ティア。彼とダーウィンが対決するその刹那、ティアの口から意外な言葉がこぼれる。

「俺の母の名前を知ってるだろう?レーン・シンクレアだ」

探偵社の仲間であり、妊娠中のレーンの名に驚き決闘に敗れるダーウィン。目を覚ますと周りはまた砂漠にもどっており、今の一連の物語が夢だったことを自覚する。しかし傍らには6-6-6の銃が一丁転がっており、ダーウィンは自分に宿る神の力の残り火がレーンの子供の行く末を暗示していることに狼狽するのであった。

 

#215 "Stake Out"

マドロックスとレイラは依頼人であるアディーナ(Adina)から話を聞いていた。「父を殺したのは再婚した義母に違いない!あんな人とは一緒に居られない!」と言って部屋を出ていこうとするアディーナ。一方、彼女の義母であるカーラ(Carla)から話を聞くマドロックス(分身)。その口ぶりは財産目当てで夫を殺すような人間には見えないのであった。

分身と合流したマドロックス達。しかし分身は報告もそこそこにレイラを抱き寄せると

「結婚、しよう」

と嘯く始末。レイラもそれを真に受けて「プロポーズ♪プロポーズされた♪」とはしゃぐのだから手に負えない。「(強くなりたい……)」というマドロックスのモノローグが可笑しい。

調査を進めると事件は怪しい方向に。吸血鬼のような殺害方法、そしてアディーナのものとも思える証拠。何らかの超常的な要因による娘の父親殺し、父を愛するアディーナを思いやってどのように調査を進めるか悩むマドロックスだった。だがレイラは「それじゃあアディーナのところにロングショットを連れて行ってサイコメトリーを彼女に見せれば解決ね」と簡単に言ってのける。そんな彼女の子供っぽさに珍しく怒りを露わにするマドロックスだった。

 夜、車でアディーナを見張る二人。二人は気まずいままだったが、そんな折コウモリが取りついたかのようになったアディーナが窓から飛び出した。行き着いた先はカーラのところだった。すんでのところで飛び込んでカーラを救ったマドロックスだったが、用意してきた十字架が効果をなさずピンチに陥る。駆けつけたレイラはDrドゥームのガントレットをかざすとアディーナからコウモリの霊を祓い、彼女を救うのだった。

事件は解決し、少し気持ちも落ち着いた二人。

「なあ、まだ結婚したいって思ってるのか?」

「…そんなことわからないわよ」

「!?わからないってなんだよ」

 

「だって私はレイラ・ミラーよ。なんだって知ってるわけないじゃない」

 

 

ということで閑話休題的な短編紹介でした。短編の方がかえって紹介が長くなるなあ。

ダーウィン離脱編は最初読んだ時は全く分からない話だったのですが、この後レーンのお腹の子供をめぐる話が出てくるに連れ意味が分かってくるところが楽しいです。最後の張り込み(Stake out)の話は結婚と親子と家族と細かいセリフを説明できればもっと魅力を伝えられるのですが、あらすじで精いっぱいになってしまいました。しかし最後の「I'm Layla Miller. I don't know stuff」は、これまでの決め台詞を逆手に取った上手いセリフだと思いました。

 

 

スポンサーリンク